宙組 FLYING SAPA

半年以上ぶりの宝塚。
宝塚を観るようになって9年目、こんなに期間が空くのは初めてで、開演アナウンスだけで泣いてしまうかも…って思ってたし実際泣いた。

 

私はウエクミ先生の作品が好きなので、こう、、、久しぶりの宝塚!っていう自分都合の感情込みで観るのやだなーって思ったんだけど、そんな心配要らなかった。即ディストピアSFワールドだった。

 

ウエクミ先生がプログラムに書いてるとおり、わたしたちは静まり返った水面の上で、一粒の小石が手から零れてそのさざ波でたくさんの船が沈没するような、そんな世界で生きてて

その静かな水面下にある人間のきれいも汚いも全部すくい上げて、バァーンと、これで皆にも見えるでしょうと、机上に出された気分だった。でもそこに愛があって、希望を見せてくれた…そんな舞台っした!

 

宗教や文化、言語に娯楽、、、あらゆる違いを取り除いても、自分の膝で眠る相手のことを本当に理解することなんてできない。自分のことだってそう。わからないって辛いし寂しい。
SAPAがの奥地にたどり着いたら…そんな寂しさがみんなの心からなくなりますようにって祈るだろう、って場面が一番好きです。オバク。

 

ニュースキャスターの「いつも心はそばにあります!」って言葉がやけに薄気味悪かったり、
どこまでも正しい言葉を並べるノアに、気持ちいいでしょうね!って言うイエレナだったり、
今普通に生きてて常にそばにあるようなものが、こうも、、、あぁ、、、

未来の自分が見て超共感できる日記を残したいんだけど難しい。笑

 

戦争の記憶、総統01が辛そうに耳を塞いでいるのも印象的だった。
てかあそこほんとに観てるのしんどかった。
でもここで見ないフリしてなかったことにしちゃうの、まさにアレだから目をそらさず傷つきながら観ました。

 

オバクと総統01どうすんだろ、どう決着つけるのこの2人、、、って勝手に心配してたら、すごい良い?決着だったと思う。
オバクが撃ってしまったらそれは復讐だし、でもすべてを知って受け入れたミレナが撃ったことで、救済になったというか、、、

なんか、物語のここがこうでっていうのたくさんあるはずなんだけど、サパ、今の自分にグサグサくるものが多すぎて、、、

 

心と頭がバラバラなのもすごいわかるし、私も私のことがわからなくてつらいし、でもみんなが希望に向かったことで、わたしも前を向こうと思えたよ、、、なんていうか、サパを観たことによって自分の心の形を見たといいますか。

 

観劇中気づかなかったけど、宝塚あるあるの番手拍手ないね!?入れるタイミングがない!
歌唱も、物語に必要なところでしかない!
でもそれがあの美しい歌を際立たせてたなー。

 

幕間中、お客さんみんなマスクして静かに座ってて、今まで劇場で感じたことない静寂で、静かな水面、作品と相まってすごい怖かった。笑

 

No.6とかサイコパス好きな人は絶対好きよなサパ